個人的に発見のあるアニメだったので、記録に残しておかないといけない。
タイトルは一個前の日記と対比させているとかそういう野暮なことは置いておこう。

けものフレンズ、話題になった当初は『直球表題ロボットアニメ』みたいなゆるいアニメだろうと思ってた。
実際こんなことを言ってる。なお製作会社に関しては確かに同じだった。
https://twitter.com/ark_finn/status/829682625061101569

で、そんなに話題になってるならとりあえず見ておこうと一話を見たが、まあ普通に丁寧に作ってるアニメだなって感じだった。
六話からはリアルタイムで見始めたが、その時も大体同じ印象だった。
https://twitter.com/ark_finn/status/830254412769566721
https://twitter.com/ark_finn/status/832243688851935234

これが七話を見たあたりから急激にハマりだしている。
https://twitter.com/ark_finn/status/835188463494299648

七話のゲストキャラが「また来てね」みたいな事を言っているし、このへんで一挙放送を見て三話の「また来ようね」というセリフなんかを聞いて、どうやらこれは意図的で、多分もう帰ってこない話なんだ、という確信を持ったことが主な要因。
なお一挙放送は五話の途中で寝てた。(我々は疲れていたので)

この、もう帰ってこない今を楽しく過ごし、おそらく果たされることの無い約束をする、という展開がどうも自分のツボにハマるらしい。
見えなくなってしまったものは二度とかえらないと知ったときや、振り返る度になくしたものがまぶしく見えるような話である。このへんの歌詞も確かに好きだった。
そしておれはラブコメが好きだと思っていたのだが、ラブコメも要は「いつか終わる関係を今は楽しむ話」だ。
自分の好みが抽象化されたということは大発見で、今後、色々に形を変えて自分の創作物に応用できる。すっごーい。

とにかく、そういうわけでガッツリとジャパリパークに入園してしまったおれである。
この時最終話ネタを散々書いていたが、さらっと書いたこのへんのツイートがバッチリ的中しているので誉めてほしいところ。
https://twitter.com/ark_finn/status/834781591234768896


さて、このアニメはあちこちで考察が色々されていて特におれが何かを言う余地も無いと思うのだが、上記のほかに二つ、好きな点を挙げておきたい。

一つ目は、描写しないことで奥行きを持たせている点。
たとえば毎話オマケ的に登場するアライさんの冒険や、ラッキーさんを通して語られる冒険については劇中で特に掘り下げられることは無い。
しかしそれぞれの冒険があったことは想像できる。
また、かばんちゃんとサーバルちゃんの間でも、省略された冒険があったことが考えられる。
たとえば八話の「上手になったね」というセリフは、これまでに何度か練習の機会があったことを示している。(劇中でそのような描写は無い)
最終話についてはかばんちゃんに起きている変化が時間経過を示すものだと仮定すると、最後の場面の直前に空白の期間を見つけることができる。その間、何をしていたのか、もしかしたら「また来ようね」の約束をちゃんと果たしていたんじゃないか、とか想像の余地が残されている。

おれは歌詞を書く時、その歌詞の何倍かの設定資料や背景説明を用意するんだけど、結果的に省略されるそういう部分、むしろ省略して空白を作ることが大事なんだと再確認させてくれる。


二つ目は、個人的な好みでパークガイドロボットのラッキーさん。
このロボットは、決められた命令通りにしか動けない、融通の利かないロボットであるかのように表現されていて、更にたびたびポンコツな行動を取るので笑える小道具ぐらいに考えていた。
まどかマギカの前例があるので、マスコットキャラには不信感もあったような気もするが、このラッキーさん、どうも感情があるんじゃないか? と思える描写がある。
劇中では故障と表現される行動や、最終話でのセリフなどは、意志を持って行っているように思える。
そこでラッキーさんが自我を持っていると仮定する時、その行動は「決められた命令に反しない範囲で自分がやりたいこと」であるように見ることができる。
やたら説明を喋るときや、かばんちゃんの茶番に付き合ってくれるところなど、感情を持っての行動と考えると、融通の利かないポンコツロボットとは違った見方ができる。
そう考えるとラッキーさんはもはや小道具ではなく、三人目の冒険の仲間といえる。
おれはこういう人工知能が大好きなので、推しフレンズはラッキーさんに決定した。

あと、ラッキーさんの声優は最終話で明かされる仕組みになっているが、そのスタッフロール以外に一切の描写が無いにもかかわらず、その声優名(ネタバレすると一人二役をやっているのだが)だけでラッキーさんとの冒険は、その声優が示す別のキャラとの冒険だった可能性に置き換えることができる。
たった一行のキャスト紹介でまったく見方を変えることができてしまうという仕掛けで、これは単純にすげえと思った。

一貫した描き方をした上で、少しスパイスを加えて味わい方を変化させるという料理を二重に仕込んでいるわけだ。


と、そんなあたりが凄く好きになれた作品でした。
このアニメ全体として言えることは、最初の感想の通り、丁寧に作られている普通の作品だということ。
ただ、最初に思っていた以上に丁寧に作られているというのが最後まで見た後の印象。
作劇のお手本として(一話が大成功とは言いがたいので絶対的なお手本とも言えないけど)見て損は無い作品だと思います。

そんなけものフレンズのガイドブックが発売され、しかも本屋で買えるというので発売日を楽しみに待っていたのですが、本屋どころかアマゾンでさえ売り切れで買えません。
のけものはいないんじゃなかったんですか!


あと、このアニメ異常に流行したので、それでちょっとひいてる人がいるみたいで、それはわからんでもないんだけど、流行に乗るのは別にいいんじゃないかと思う。
流行に乗った結果、調子に乗って二期とかやって失敗するのは作者側の勝手な事情だし、調子に乗らずに上手に二期を作ればそれはそれで問題ないし、仮におれが流行を無視してガンダムばっかり見てたら上記のような自己分析に至ることも無かったわけで、それを問題視する必要はどこにも無いように思う。
ちなみにおれは流行りものはとりあえず見たり読んだりしておこうって思うタイプの人です。

コメント

nophoto
ina18
2017年4月21日1:54

まさかあなたまでもが賞賛するとは!いまではぼくもりっぱな難民です。

善行を重ねる人の難儀を見かねてめいめいが一肌脱ぐという、ドラマ水戸黄門をも凌ぐ最終回に、ぼくはそれでも人生を賭けていたのでまったく命拾いです。
また、無機物に万が一にも意志が…というはやぶさ的描写も大変結構なことです。

ところでここだけの話、好奇心と機会.wavファイルを200ペソぐらいで分けていただけないものでしょうか、いやもう、出世払いとはいえ確実にお支払いしますから、ほんとに・・・

A-9
2017年4月23日2:57

ニコニコ動画で変な広告を打ちおってゆるさん
おれはガイドブックを全巻予約できたのだ!
これもかばんさんのおかげなのだ!

曲はアマゾンで雪歌ユフで検索すればCDまだ売ってるので買ってちょうだい
初回限定版と言いつつ初回しか生産してないんじゃないかとかそういうことを言うと家に怖い人が来ます。
マスタリングやってもらってるので権利関係とか色々あるのだ。
自分でやり直せばいいんだけどまだ時は来たらず。

nophoto
ina18
2018年9月24日3:21

血を吐くような思いで通貨を稼ぎ、すわアマゾン!と思ったら売り切れでした。
ひどいです。これはもう☆1です、そうですよね。

久しぶりにmoon vrave1を聴こうかと思ったら手持ちのが.bmsファイルでした
もうぼくには再生できません、mp3でください。
好奇心もください。

しかし、それにしても願望は神曲ですね、何回も言いますけど
今のアークさんがこの楽曲を再度アップロードするとしたら、どんなふうになるんでしょうね。いやあ、気になるなあ。好奇心ですね、ほんとに・・・

ところでようすけ師とは会えましたか、
楽しい楽曲でしたね

A-9
2018年12月30日16:45

レーベルが死んだので仕方ありません。諸行無常です。
金塊と送る手段をくれ。
マスターようすけは行方不明です。いまや彼の青春の1ページとしてアルバムの中にそっとしまわれていることでしょう。
A-9

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